・9/9MARUAI BIG アクロスプラザ高砂店
店舗HP
兵庫県高砂市梅井5丁目5-25
営業時間 9時~21時
決済 マイカ、クレジットカード、PayPay、au PAY、d払い
ATM設置


マルアイ初の「MARUAI BIG」
EDLPを採用したディスカウントストア
株式会社マルアイは2026年9月9日、高砂市梅井の複合商業施設「アクロスプラザ高砂」に「MARUAI BIG アクロスプラザ高砂店」をオープンする。
マルアイ公式サイトでは「MARUAI BIG」を通常のマルアイ、マルアイminiなどと分けて表示し、「DYNAMIC」「DESTINATION」「DELIGHT」の3Dを掲げるディスカウントストアと説明している。
売場面積は約2,000㎡と報じられており、マルアイでは最大規模。
特売日を中心とした売価設定ではなく、EDLP(Everyday Low Price)を採用する。
広い売場を使った大量陳列によって商品補充の回数を減らし、仕入れや物流を含む店舗運営を見直して価格へ反映する考え方が紹介されている。
店舗外観のロゴにも「DISCOUNT & FRESH STORE」「EVERYDAY LOW PRICE」と表示。従来のマルアイとは異なるアルファベット主体のロゴを使用し、従業員のエプロンを赤色とするなど、店舗の見せ方も変更している。
アクロスプラザ高砂
出店する「アクロスプラザ高砂」は、大和ハウスリアルティマネジメントが既存商業施設を再生し、2026年9月9日にグランドオープンする複合商業施設。
同社はニュースリリースで、MARUAI BIGについて「スーパー『マルアイ』初の大型店」と紹介している。


ニュースリリース2026/09/08(大和ハウスリアルティマネジメント株式会社)
同一敷地内にはホームセンターコーナン、スギ薬局、DAISO、おたからや、HAIR SALON IWASAKI、ゲームセンタートップラン、コインランドリー、QUICKFITなどが出店。マルアイ公式店舗情報でもこれらを同一敷地内施設として案内している。
「MARUAI BIG」とアークス「ビッグハウス」の関係
直接の関係を示す資料は確認できず
「BIG」という名称から、アークスグループが展開する「ビッグハウス」との関係も調査した。
確認できたマルアイ、アークス双方の公式資料、企業沿革、CGCの加盟企業資料では、マルアイとアークスの間に「MARUAI BIG」に関する資本関係、業務提携、ブランド供与、名称使用、店舗運営ノウハウの提供などがあることを示す記載は確認できなかった。また、「MARUAI BIG」の名称がアークスの「ビッグハウス」に由来するとする資料も確認できない。
アークスの「ビッグハウス」とは
アークスグループの「ビッグハウス」は、食品を中心とした郊外型ディスカウントストア。アークスは公式サイトで、1個、複数個、ケース単位で価格を変える「一物三価」を特徴として説明している。標準的な売場面積は800~1,000坪、商圏半径3~5kmとしている。
一方、MARUAI BIGは「3D」をコンセプトとし、EDLPを採用するディスカウントストアとして発足している。名称に「BIG」を使用し、大型売場と価格訴求を特徴とする点では共通するものの、現在確認できる公式・報道資料から両ブランドを直接結び付ける根拠はない。
共通するのはCGCへの加盟
両者に確認できる接点はCGC。マルアイは2023年にCGCグループへ加盟しており、CGC公式の近畿地区加盟企業にも兵庫県の株式会社マルアイが掲載されている。
アークス傘下でも、ラルズ、道南ラルズ、福原、道北アークス、道東アークス、東光ストアなどがCGC加盟企業として掲載されている。したがって、両社はCGCという共同仕入れ・商品開発等を行う協業組織に参加するスーパーマーケット企業という共通点を持つ。ただし、これは「MARUAI BIG」と「ビッグハウス」の直接的な関係を示すものではない。
【私見】MARUAI BIGで見るマルアイの変化
店舗規模よりもEDLP採用が変化点
今回のMARUAI BIGについては、約2,000㎡というマルアイ最大規模の売場以上に、従来店とは異なる売価政策と店舗運営を組み合わせたディスカウントストアを立ち上げたことが企業の変化点と考える。
EDLPは単に「毎日安い価格を付ける」だけでは成立しにくい。特売に伴う売価変更、値札変更、売場変更などを減らし、大量陳列や補充作業の簡素化、仕入れ・物流の効率化などEDLC(Everyday Low Costs)と組み合わせ、その削減分を売価へ反映することが基本となる。
MARUAI BIGについて実際に確認できるのは、EDLPの採用、大量陳列、補充頻度の削減、仕入れ・物流の見直しなど。
その他のEDLC施策をマルアイが実施しているとする公式資料は確認できていないため、一般的なEDLPの仕組みとMARUAI BIGで公表・報道されている内容は分けて考える必要がある。
マルアイは2019年に自社物流センターを完成させ、同年11月から稼働。2023年にはCGCへ加盟し、2025年にはSM物流研究会、関西SM物流研究会へ加盟している。
これらとMARUAI BIGのEDLP導入に直接の因果関係があるとの発表はないものの、価格政策を支える仕入れ・物流を考えるうえで確認しておきたい企業側の変化となっている。
株式会社マルアイ
会社HP
本社 兵庫県加古川市神野町神野225番地1
資本金 5,000万円
創業 1953年6月
設立 1970年3月
事業内容 食料品・日用品を販売するチェーンストア経営
年商 833億円(2026年3月)
従業員数 約3,700人(パート・アルバイト含む、2025年9月現在)
店舗数 70店舗(2025年9月現在)
出店地域は兵庫県内に集中。尼崎、西宮、神戸、明石、加古川、高砂、姫路など阪神・播磨地域を中心に展開する。マルアイは自社の店舗コンセプトを「地域重点都市型総合食品スーパー」としている。
沿革
1953年 神戸市長田区で「堀商店」として青果商を開業
1970年 食品スーパー「有限会社マルアイ」設立
1975年 株式会社マルアイへ組織変更
1994年 売上高100億円、16店舗
1997年 加古川市へ本社移転
2004年 売上高500億円、41店舗
2012年 鮮魚センター稼働開始
2019年 加古川市神野町へ本社移転、自社物流センター完成・稼働
2021年 電子マネー「マイカ」を全店導入
2023年 CGCグループ加盟
2025年 SM物流研究会、関西SM物流研究会加盟
直近業績 2026年3月期
マルアイ公式会社概要による2026年3月の年商は833億円。
非上場企業のため詳細な損益計算書は公式サイトでは公表していないが、官報に掲載された第52期決算公告では、2026年3月31日時点の純利益18億4,100万円、利益剰余金280億5,300万円、総資産428億800万円。前期の純利益14億8,000万円から増加している。
官報決算データベース
2026年9月のMARUAI BIG開店は、兵庫県内を中心に通常型食品スーパーを展開してきたマルアイが、EDLPを前面に出した別ブランドを実店舗で開始する案件となる。
今後MARUAI BIGを複数店舗へ展開するのか、アクロスプラザ高砂店で検証する店舗形態なのかについて、現時点でマルアイから具体的な出店計画は公表されていない。
なぜ食彩品館NEWSは「新業態」と表現しないのか
「ディスカウントストア」はスーパーマーケットと別の業態なのか
マルアイはMARUAI BIGを「新業態」と表現し、報道や地域情報サイトでも同様に「新業態」と紹介されている。しかし、食彩品館NEWSでは「新業態」という表現を原則として使用せず、「新形態」「新ブランド」など、実際に何が変わったのかが分かる表現を使用している。
これは今回のMARUAI BIGに限ったことではない。スーパーマーケット企業や外食企業は、新しいブランド、新しい店舗形式、新しい商品構成や販売方法を導入した店舗を「新業態」と呼ぶことが多い。一方で、「何をもって従来とは別の業態とするのか」という基準は必ずしも一定ではない。
例えば「ディスカウントストア」は、商品を低価格で販売することを特徴とする店舗で、通常のスーパーマーケットとは売価政策、陳列量、陳列方法、品揃え、商品補充、販促方法などに違いがある。
しかし、食品と日用雑貨を中心に品揃えし、客が商品を選び、セルフサービス方式で販売するという基本的な店舗機能は食品スーパーマーケットと共通する。
総務省「日本標準産業分類」では
総務省が設定する「日本標準産業分類(2023年7月改定)」では、「食料品スーパーマーケット」を、各種食料品を扱う設備を備え、主として生鮮食料品を対象に、セルフサービス方式で小売する事業所として分類している。
また、小売業には「総合スーパーマーケット」「コンビニエンスストア」「ドラッグストア」「ホームセンター」「均一価格店」など、それぞれ特徴的な販売形態を持つ店舗について個別の分類が設けられている。
ここで興味深いのが「ディスカウントショップ」の扱いである。
総務省統計局の経済構造実態調査で使用する産業分類では、ホームセンター等の分類説明の中で、ディスカウントショップについて「販売する商品によって分類される」としている。すなわち、「低価格で販売する」という価格政策だけを理由に、ディスカウントショップという独立した分類を設定しているわけではない。
経済産業省がかつて商業統計で使用していた「業態分類表」を見ても、分類基準はセルフサービス方式の採用、取扱商品、売場面積、営業時間など複数の条件によって構成されている。価格が安いかどうかだけを基準として別の業態に分類する仕組みではない。
MARUAI BIGは「新形態」「新ブランド」と表現
以上から、食彩品館NEWSでは、企業自身が「新業態」と称していることはそのまま紹介するものの、記事側の表現としてMARUAI BIGを「新業態」とは呼ばない。
MARUAI BIGは、従来のマルアイとは異なるブランド名称を使用し、EDLPを採用、大量陳列や商品補充方法など店舗運営にも変更を加えたディスカウント型の新しい店舗である。
一方で、食品と日用雑貨を中心にセルフサービス方式で販売するという基本部分は食品スーパーマーケットと共通している。
したがって食彩品館NEWSでは、MARUAI BIGをマルアイが新たに開発した「新形態の店舗」「新ブランド」と表現する。
「業態」という言葉を使用すること自体を否定するものではない。コンビニエンスストア、ドラッグストア、ホームセンターなど、商品構成や店舗機能、販売方法まで含めて既存の店舗とは異なる分類として定着しているものもある。ただし、企業が新しい店舗を開発するたびに「新業態」と呼ぶことと、統計や流通研究上の業態分類とは分けて考えたい。
「新業態」という企業側の表現について
なお、ここで「新業態」という表現に疑問を呈しているのは、マルアイがMARUAI BIGを新しい店舗として打ち出していることを否定するものではない。企業が従来とは異なる店舗を分かりやすく紹介するため、「新業態」という言葉を使うことも理解できる。
今回のMARUAI BIGは、名称を変えただけの店舗ではなく、EDLPを採用し、陳列方法や商品補充、店舗運営にも従来店とは異なる考え方を取り入れている。マルアイにとって新しい取り組みであることに異論はない。
一方、食彩品館NEWSでは「業態」という言葉について、商品構成、販売方法、店舗機能などを含め、既存の小売分類とは異なるものとして扱えるかどうかを考えて使用している。そのため、企業自身が「新業態」と表現している場合でも、記事側では必ずしも同じ表現を使用せず、「新形態」「新ブランド」「新しい店舗形式」など、実際に何が変わったのかが伝わる言葉を選んでいる。
これは企業側の表現の正否を論じるものではなく、「業態」という言葉をどこまで広く使うかについての、食彩品館NEWSとしての編集上の考え方です。
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