飛び込みで寿司食いねぇ。孝寿司(愛知県安城市)「街寿司」という表現がピッタリ。「聞きたがり」の私にとっては本当にありがたい。

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飛び込みで寿司食いねぇ。孝寿司(愛知県安城市)「街寿司」

 趣味の関係で各地の直売所を使うことがある。特に多く利用するのは安城市の直売所。ルートは国道23号線明豊バイパスの知立バイパスからのルートや知立・刈谷・安城市中心部から。今回は、安城市中心部から国道23号線知立バイパス高棚福釜ICへ向かう途中で昼食のため立ち寄った寿司店。


 見た目といい、外からメニューがわからないということなど、なかなか入店し辛い雰囲気。
たまたま、ランチタイムに当店の前を通過しただけであり、事前の情報はまったく確認していない。

 前述の通り、直売所を利用する機会が多いため、周辺の飲食店はほぼ訪問済み。だんだんと未実食店が無くなっている中では貴重な未実食の飲食店。
駐車場には軽自動車1台。これはお客さんだろうか?それとも?。
ちょっとドキドキしながらドアを開け、暖簾をくぐる。

 ちょっと嬉しかったのは客は私だけ。何が嬉しいかって、いろいろと気兼ねなく質問することができるから。
ただし、お店の方が話好きでなかったら、あるいは「黙って出された寿司をさっさと喰え」タイプだったらどうしょうという不安はある。

メニューを見る。「消費税 外税」という今時、なかなか見られない価格表示。しかも手直しで価格修正。前価格が“見える化”。

 価格帯は並寿し1300円から上寿し2200円、特上寿し3500円と並ぶ。こういった場合、通常、真ん中の価格のメニューを頼むことが多いものの、特上でも3500円なので、ちょっと奮発して「特上」を選択してしまう。
メニューを見ると、刺身類も居酒屋価格なのが嬉しい。一品料理も充実。近くにこういう店があると嬉しいのに。
あまり縁がないが、2階では40名までの宴会もできるらしい。4200円コース、5200円コースが紹介されていた。バス送迎あり(26人乗り)。

 価格が“時価”や“空白”ではなく、外税表示とはいえ、明確なので安心して注文できるのはありがたい。
 何より、ご主人が物腰柔らかい方なのが「聞きたがり」の私にとっては本当にありがたい。

目次

★特上寿し 3500円

 黄金の水引で箸をまとめ、和紙の敷紙を敷いてある。会席料理ならともかく、並み寿し1300円提供のお店では珍しいおもてなし。
器は伊万里でしょうか。

 生わさびそのものはちょっと保存期間が経過しているが、この店は長次郎の鮫皮おろしを使っている。ちょっと嬉しい。


まずはこの鮫皮おろしから会話のきっかけをつかむ。
「私も持ってますよ」とお伝えすると、ご主人もニッコリ。私が自宅でも生ワサビを使うということで、話がちょっと盛り上がる。

私の長次郎鮫皮おろし↓

 おろしたての生わさびは良いねぇ。西洋わさび(ホースラディッシュ)入りのワサビを出てくる店とはちょっと違うこだわり感を感じる。1食数万円のお店ならば別だが、当店は並すし1300円からの店です。
 「静岡産」と産地の説明や、私の西伊豆町の栽培地視察時の話をさせていただく。

 生本ワサビの辛味と香りの本質は、細胞が壊れることで生まれる化学反応と、揮発(気化)の早さであり、長次郎作の鮫皮おろしはわさびの細胞を理想的な形で破壊し、香りと辛味、そしてなめらかな質感を引き出せるという特徴がある。
金属のおろし金との違いは、鮫皮は繊維を傷つけずに細胞だけを細かく「すりつぶす」ことが可能とされ、これにより、シニグリンとミロシナーゼの酵素反応が最も活発になり、上品で奥深い辛味と爽快な香りを堪能できる。
ただし、すりおろして3分から5分で食さないといけない。ウルトラマン並みの短命さ。
醤油には溶かさず、寿司につけて食べるが、私は生わさびを箸にとって口に含み、そして寿司をいただく。幸せ感が充実。
ちなみに静岡水わさびの伝統栽培は世界農業遺産及び日本農業遺産に登録されています。

 玉子。
ふむふむ。と、まずは一口。良いですね。出汁感が強すぎず、弱すぎず。

 ホタテが大きい。ちょっと感激。思わず、「ホタテが大きいですね」とご主人に声掛け。ちょっとしたこだわりを授かる。


ここで、シャリの感想。最近、赤シャリの寿司店が続いていたので、オーソドックスな米酢のシャリは久々。やっぱネタを邪魔しないということでは、赤シャリよりも米酢の方が好みかも。
シャリの握りは空気感のある団粒構造というよりは少し、握りがしっかりタイプ。これも久々。

 エビは車えび?。どうも地場のヨシエビの仲間らしい。旨い。この地エビ談義も楽しく、会話が弾む。

 数の子。久々に食す。いつ以来か。最近の寿司実食で登場する機会はなかった。もちろん、基本の塩抜きも上々。手のかかる数の子をネタにして理由を聞きたかったが自粛。母親の作る正月の数の子を思い出して、ちょっぴり感傷。

 まぐろは本まぐろの赤身。しっかりと熟成された感。ここで、2年前に食した2億700万円の築地一番マグロの話で盛り上がる。赤酢と本まぐろの相性や「おのでら」のまぐろ熟成についての会話で充実。

豊洲市場初市,一番マグロ,2億700万円の本まぐろ実食記。鮨,銀座おのでら名古屋店で「旬のおまかせ握りコース “月“ 15種」実食記,赤酢飯,氷見寒ブリ,長崎産天然クエ,津軽海峡産イワシ,天然クエ,ミミイカ,しらうお,北寄貝,釣りものキンキ,バフンウニとキタムラサキウニの食べ比べ,江戸前のコハダ,ボタンエビの頭,廻転すし・登竜門との違い

 イカはケンサキで、時期的にはスルメイカやコウイカよりもこちらを選択するという話を教えてもらった。ケンサキイカ特有のしっとりとした質感と粘り気のある光沢が美しい。

 カニは地場のワタリガニ。旨い。それにしても、客は私一人だけなのに、このネタの準備はすばらしい。

 ウニは北海道だが、水揚げ産地は不明。季節的には噴火湾周辺と推測。いつ、お客さんが来るのかわからない店なのに、ウニの鮮度には驚く。ミョウバンの苦みを感じないので塩水ウニ?。

 コハダですね。新仔の時期にはシンコを出すというから当店のこだわりを感じる。良い塩梅です。飾り包丁も美しい。

 イクラ。粒が大きいのが好印象。仕込みに手を惜しまないということに感心しきり。

 穴子はちょっとコゲがあるものの、全体にふんわりとしていて江戸前とは違う美味しさを感じる。良いですね。

 最後は鉄火で〆。

こういう出会いがあるから「飛び込みランチ」はやめられない。

 支払いは3800円。メニュー表示は外税3800円だったが、消費税込み3800円。サービスなのかは不明。

 支払いを済ませて帰ろうとしたら、御菓子のお土産をいただいた。おもわずニッコリ。


良い寿司店でした。近くだったら通うのになあ。

 入る時には気付かなかったが、玄関横に喫煙場所があった。「明日から禁煙」の手書き文字を見ておもわずにっこり。全世界が禁煙になりますように。

・孝寿司
愛知県安城市福釜町河原78-1

◇街寿司巡り

2009/2/8一色さかな広場で寿司

2013/07/12すし笑魚亭(常滑市)

2014/04/03紀州寿し(札幌市北区)

2014/09/28萬紀寿し有玉店(浜松市)

2015/02/20すしざんまい池袋東口店(東京)

2016/07/24ひで寿司(安城)おまかせ寿司

2017/01/21魚路(ととろ)立ち食い鮨(姫路)

2017/04/29とれとれ市場海鮮寿司(白浜町)

2017/12/24海鮮すし食堂にほんのうみ本店

2019/07/20みつ橋(愛知県西尾市)鮨

2022/04/30しま鮨(岡崎市)刺身ランチ,

2022/08/07松乃寿司(安城市)鮎と月山錦

2022/10/29すし道楽海斗(愛知県岡崎市)

2023/02/04大黒寿司(青森市)特上にぎり

2023/05/06廻転鮨 銀座おのでら本店(渋谷区)

2023/08/20すし玉富山駅店(富山市)

2025/01/18鮨 おのでら名古屋店,豊洲一番マグロ

2025/11/02鮪小屋本店エスカ店(名古屋駅地下)

2025/11/04札幌魚河岸57番 いきいき寿司

2025/11/16すしやまるいし本店(新潟県佐渡市)

2025/12/14伊勢鮨駅中店(北海道小樽市)

2026/01/24SMART男前鮓名古屋(築地青空三代目)

商業施設・飲食店訪問17,000店強

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この記事を書いた人

食品調達部門統括、店舗運営部門統括、商品戦略本部長を歴任し、現在に至る(定年退職)。調理師、食肉技師、有機栽培行程管理士教育受講、法学士。

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