三陽商会の「新業態」出店に見る店舗モデルの再構築と経営課題。SANYO Style STORE PLUS イオンモール岡崎店(サンヨースタイルストアイオンモールおかざき)2026年9月16日オープン。

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・9/16SANYO Style STORE PLUS イオンモール岡崎店

企業HP 
愛知県岡崎市戸崎町字外山38-5 イオンモール岡崎
営業時間 午前10時〜午後9時(施設営業時間に準拠)
ニュースリリース 

“新業態”ではなく“新ストアブランド”ではないですか?

店舗区分の表記に対する専門的課題   

 昨今、一部の小売・飲食・アパレル企業による出店発表において、「新業態」という表現が多用される傾向が見受けられる。
しかし、店舗形態の創出(商品の売り方やサービスの基本構造そのものを根本から再構築すること)と、単なる「複合ブランドの再編」や「一部展開ラインの追加」は区別される必要がある。

 既存の構成要素を組み合わせ直す施策(品揃え計画やターゲット層の微調整)を「新しい店舗の仕組み」と表現することは、消費者に過度な期待を与えるのみならず、出店戦略における客観的な評価体系を曖昧にする懸念がある。

今回の出店について

 本店の施策内容は、既存の婦人服ブランドの継続展開に加え、ショッピングモール向けに価格設定を見直したラインを導入すること、およびEC(電子商取引)との連携回収ボックスの設置を行う点にある。
これらは既存の販売チャネルや商品構成の最適化(調整)であり、従来の「SANYO Style STORE」の枠組みを補強するマイナーチェンジとしての側面が強く見受けられます。
よって“新業態”というアピールはどうなんだろうかという印象を持ちます。

 三陽商会における経営構造とバーバリー撤退の影響

 長年、英国バーバリー社とのライセンス契約(ブランド使用許諾契約)に基づく百貨店主体の高収益モデルを展開してきた。
同事業は売上高の約半分を占める収益の中核であったが、2015年6月の契約終了によって売上規模が急減。

 契約終了前の2014年には連結売上高1,109億円、営業利益103億円を計上していたものの、2016年には売上高が676億円へ減少し、84億円の営業損失(本業の赤字)を計上するに至った。
さらに売上減少に伴う固定費(売上にかかわらず発生する費用)の負担が重荷となり、2021年まで5期連続で最終赤字が続くなど、経営上の試練に直面。

 その後、店舗網の見直しや構造改革、費用の削減を進めた結果、2023年2月期に営業損益の黒字化を達成。
直近の2026年2月期決算では、売上高584億4,800万円、営業利益12億9,800万円となっています。

 現在の課題は、百貨店依存からの脱却に向けた新たな販路の開拓。
郊外の大型商業施設への出店はその一環ですが、単なる店舗名の変更やマイナーチェンジにとどまらず、いかに実質的な採算性と新たな顧客層の獲得を両立させるかが問われています。

 店舗展開の戦略において、真の「新しい店舗の仕組み」の創出と、単なる「展開場所や品揃えの調整」を区別して捉える視点が、今後の流通業界を客観的に評価する上で不可欠です。

引用元 株式会社三陽商会 2026年7月1日発表 プレスリリース
(https://www.sanyo-shokai.co.jp/news/2026/07/01-1220.html)

沿革および概要

・1943年 株式会社三陽商会 設立
・1946年 自社での衣料品製造を開始
・1969年 総合アパレルメーカーへ移行
・1970年 英国バーバリー社とライセンス契約(許諾契約)を締結し国内展開を開始
・2015年 バーバリー社とのライセンス契約終了に伴い自社ブランド強化へ移行
・2023年 SANYO Style STOREにて店舗取り寄せ試着サービス(TRY&PICK)の運用開始
・2026年 中期経営計画(2026年2月期〜2028年2月期)の施策としてショッピングモール向け店舗モデル「SANYO Style STORE PLUS」を発表
・2026年 イオンモール岡崎に「SANYO Style STORE PLUS」1号店を出店

 SANYO Style STORE PLUS イオンモール岡崎店の特徴

ターゲット層と出店場所の設定

郊外型大型商業施設を対象とし、従来の百貨店中心の展開から顧客網の拡大を目指す。

取り扱いブランドと展開ライン

既存の婦人服ブランド(AMACA、EVEX by KRIZIA、TRANS WORK)を継続展開。
商業施設向けに価格設定を見直した新ライン(Le Jourなど)を導入し、他店との差異化を図る。

OMO(オンラインと実店舗の融合)機能の導入

自社EC(電子商取引)サイトおよび他店舗の在庫を取り寄せ、店頭で試着したうえで購入できる仕組み(TRY&PICK)を導入。

循環型施策の導入

不要となった自社製品の回収ボックス(SANYO RE: PROJECT)を設置。

イオンモール岡崎(2008年撮影)

2020年撮影

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この記事を書いた人

食品調達部門統括、店舗運営部門統括、商品戦略本部長を歴任し、現在に至る(定年退職)。調理師、食肉技師、有機栽培行程管理士教育受講、法学士。

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